Vitpilen 401のブレーキスイッチ交換(移設)を行う

2025/10/12

husqvarna vitpilen

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先日、Vitpilen401(2021)の初めての車検を終えました。
Vitpilen401は新車購入したバイクですので、思い入れも特にあります。

初めての車検はディーラーで行いました。 
社外品のREMUSのマフラーなどは問題なく車検を通過しました。

車検後にディーラーから指摘されたのですが、リアブレーキスイッチの感度が悪くなっていて、かなり強く踏まないと点灯しないとの事でした。
正直、新車購入から3年間で3500キロの走行距離、そんな状況でリアブレーキスイッチが壊れるのかと言う疑問がありますが、まぁ外車だしなのマジックワードで一旦済ませます。 

ちなみに、リアブレーキのオイル漏れがあり、ディーラーでブレーキの組み直しをしてくれたのですが、なんでその時に交換してくれなかったのかは謎です。
とりあえず強く踏めば車検に通るという話で、そのまま帰ってきました。

強く踏めばブレーキ灯はつきますが、普通に踏むレベルだとつかないので個人的には要修理かなと思います。
この辺、こういうレベル感で車検が通るっていうのは、バイク界の文化なのでしょうか? 

Vitpilen401のリアブレーキスイッチは、プレッシャースイッチと言う油圧で作動するスイッチが採用されています。
この部品は割と多くの車種で使われていて、amazonなどでも互換品を購入することが出来ます。

M10のピッチ1.0のプレッシャースイッチが使用できます。

次にVitpilen側のスイッチを交換するべく場所を探します。
スイッチは外観を眺める感じでは見当たらなく、Youtubeなどで他のシャーシを共有しているKTMの車両を調べた所、ABSユニットに繋がっていることがわかりました。

ABSユニットは、車両の前の方で燃料タンクの下にあるため、このスイッチを交換するには燃料タンクを外す必要があるので、非常に面倒ということが解りました。

ただ、海外の情報で、スイッチ自体をマスターシリンダーの方へ移設することでスイッチのメンテナンス性を上げることが出来る事ができるようなので、その対策も兼ねる事にします。

スイッチを移設することで、既存のスイッチは外す必要がなくなりました。
元々タンク下で、簡単にはアクセスできないので、スイッチとして接続されていなければ、ただのバンジョーボルトと同じなので、なにか別の機会の際に取り外せば良いと言う判断です。

一旦、リアブレーキの仕組みを整理します。

 ブレーキフルードのラインはマスターシリンダーからABSユニットへ行き、そこからリアブレーキへと続いています。
今回、ABSユニットにあるプレッシャーセンサーを移設するのですが、海外で主流のマスターシリンダー部分への移設の場合、交換時に入ったエアを抜くための経路がマスターシリンダー→ABSユニット→リアブレーキまでの、最長のラインになってしまうので、あまりメンテナンス性が良くないのではと思い、今回はリアブレーキに移設することにします。
(なぜなら、プレッシャースイッチは、また壊れる可能性が高いから)

まずは、ブレーキスイッチのコネクタを探します。

Vitpilen401の場合、ブレーキスイッチのコネクタは写真の矢印のあるカバーの裏にあります。

ただ、このカバーだけ外しても、手が入りにくく、コネクタを抜くことは困難なので、その下の鍵穴のあるカバーを外す必要があります。

…なのですが、鍵穴のカバーはその右にある、 イグニッションコイルを外す必要があると言うパズルのような作業が発生します。

外す順番は、イグニッションコイル鍵穴のカバーその上のカバーの3つになります。

上のカバーだけは先に外しても大丈夫です。

イグニッションコイルを外すと、鍵穴のカバーを止めているボルトにアクセスができます。
こちらを外し、鍵穴のカバーを下に引くとカバーが外れます。

上のカバーは、左右のボルトで止められていますので、六角レンチを取ることでずらすことが出来ます。
今回は、イグニッションコイルとは反対側(マフラーがある方)へずらします。

これでコネクタにアクセスできるようになりました。
2極のカプラーで青と茶色の配線になっています。

正しいコネクタか確認するため、導通させてチェックします。

キーを刺し電源を入れた所、無事にブレーキ灯が点灯したことが確認できました。
間違いなく、このコネクタがブレーキスイッチになります。

ブレーキスイッチは単純なスイッチなので、配線にプラス・マイナスは関係はありません。
この2つの線がつながる=ブレーキ灯が点く
と言うことになります。

コネクタの方は準備ができたので、ブレーキスイッチを移設する作業を行います。
前述の通り、リアブレーキのバンジョーボルトをプレッシャースイッチにします。

作業をしやすくするため、マフラーを外します。
写真ではスリップオン部分を外しましたが、多分根本から外したほうが作業しやすいと思います。 

バンジョーボルトの周辺にウェスを詰め、バンジョーボルトを外します。
リアブレーキのフルードタンクは締めたままなので、ダイアフラムが効いてそんなにはブレーキフルードは漏れてこないはずです。

バンジョーボルトを外したら、プレッシャースイッチを取り付けます。
シーリングワッシャーも交換します(基本使い捨てです)

プレッシャースイッチが交換できたので、交換時に入ったエアを抜きます。
一般的なリアブレーキのエア抜きと同じ方法です。

ただ、エアはラインの終わりであるリアブレーキ周辺なので、エアはすぐ抜けるはずです。

自分は、実はエア抜き初経験だったので、様々なYoutubeなどを参考にしました。
逆止弁付きのホースを使ったので、簡単にエア抜きが出来ました。

なお、ブレーキフルードは塗装を侵すと言われていますので、バンジョーボルト交換時とエア抜き後の二回、吹き出たフルードを水で洗い流しています。

スイッチの移設が終わったのでスイッチをカプラーに刺すわけですが、かなり遠くへ移設したのでカプラーは届きません。 

カプラーは汎用的な2極カプラー(110型)と言うものなので、市販のカプラーを使い延長ケーブルを作成します。

大雑把に必要な長さを測り延長ケーブルを作成します。

  

カプラーを接続したら、リアブレーキの確認をします。

無事に点灯することが確認できたので、一旦作業はOKとなります。
配線をタイラップなどを使って、目立たないように取り回して、カバー類の部品を元のように組み立てていきます。

30分ほど試走に行き、戻ってきたところでプレッシャースイッチの確認をしましたが、特にフルードが漏れているような感覚や、ブレーキが不自然な感じは特にありませんでした。


ブレーキスイッチも通常のブレーキで点くようになりました。
個人的にはもう少し早く点いてくれても良いかなと思いますが、プレッシャースイッチは感度の調整は出来ないと思うので一旦よしかなと思います。

今回、プレッシャースイッチは互換品を購入しましたが、純正品が良い方はこちらのリンクから購入することも可能です。

https://www.ktmnakanoshop.jp/product/421345

また、プレッシャースイッチは割と壊れやすいらしいので、移設したことで交換作業は楽になったと思います。
次に壊れたときには、今回増設したスイッチ部分の交換で良いはずですし、カプラーも延長されているので差し替えが簡単になっています。

今後はカプラー部分を軽く防水対策をしておこうかと思います。

 

今回使用した道具や部品のアフェリエイトです。

  

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